HOW TO
クロスステッチは誰もが楽しめるとても簡単な手芸です。名前の通りX(クロス)をいくつも刺しゅう(ステッチ)して形を作っていきます。
このページでは基本的な道具と刺し方を説明しています。さぁ一緒に針を持ちましょう!
基本の道具 / Basic supplies
刺しゅう糸
刺しゅうでもっとも一般的に使われるのが25番刺しゅう糸です。それぞれ固有の色番号があります。6本の細い糸をより合わせて1本にしてあり、この中から指定の本数(2本取りなら2本)を引き抜き揃えて使います。使う糸の本数によって仕上がりのイメージが変わってきます。
多くの本には使用する糸のメーカーと色番号が記載されています。本と同じように作りたい場合は同じものを揃える必要があります。
ワンポイントアドバイス
大図まことのクロスステッチ図案は12色(黒、白、グレー、茶、赤、緑、青、黄、オレンジ、紫、ピンク、ペールオレンジ)で作られています。指定メーカーや指定色番は無いのでご自分の好きな色で作ってください。自分でアレンジできるのもクロスステッチの楽しみ方の1つです。
針
刺しゅう針は大きく分けて2つの種類があります。先の尖ったフランス刺しゅう針と先の丸いクロスステッチ針です。クロスステッチ専用に織られた生地を使用する場合は針先の丸いクロスステッチ針を、目の詰まった生地に刺しゅうする場合はフランス刺しゅう針を使います。
ワンポイントアドバイス
針は使用する糸の本数によって号数を変えると無理な力を入れることなく刺しゅうを楽しむことが出来ます。※メーカーによって号数表記が異なるのでパッケージの記載を参考にしてください。
クロスステッチ針とフランス刺しゅう針の両方がセットになったものが販売されているので1つあると便利です。
生地
布の目を数えて刺しゅうするクロスステッチの場合、クロスステッチ専用の布(ジャバクロス、アイーダなど)か布目の数えやすいリネンなどを使うのが一般的です。
布目の大きさは海外メーカーのものだとカウント数(ct)日本メーカーのものだと○○目という表記になります。これは1インチ(約2.5cm)あたりにマス目がいくつあるかを示したもので数が増えるにつれて目は細かくなります。カウント数の大きい(目の細かい)生地に刺した場合、同じ図案でも小さく仕上がります。
もっと詳しく
14ctとは1インチの中に14マスあるという事です。1インチが約2.5cmなので14で割ると1マスあたり約1.8mmになります。
55目とは10cmの中に55マスあるという事です。10cm÷55=約1.8mmとなり14ctと同等のサイズという事がわかります。
現在発売されている多くの書籍では14ct糸2本取りの作例が掲載されています。お子様だと細かいと思うので11ctもしくは9ctが良いと思います。もちろんその場合仕上がりサイズが変わるのと糸の本数を変える必要が出てきます。
刺しゅう枠
薄い生地や、やわらかい生地に刺しゅうする際に布をぴんと張るために使います。ただしクロスステッチ用の生地は糊がついて硬いことが多く刺しゅう枠を使わない方もいます。
作品サイズによって刺しゅう枠のサイズを変えると効率よく出来ます。小さなワンポイントサイズであれば15cmのものが1つあれば大丈夫です。
ワンポイントアドバイス
刺しゅう枠を使う際は金具部分を手のひらで覆うように持つと刺しゅうする際に金具に糸が絡まなくなります。
はさみ
糸の始末には先の細い手芸用のはさみがあるととても便利です。
刺しゅう糸の扱い方
【1】片手でカセのラベル部分を持ち、もう片方の手で糸端を引き出します。約50cm程度でカットします。
【2】6本の束から必要な本数を引き出して使います。面倒でも一本ずつ抜き取り、揃えてから刺しましょう。撚りが取れて仕上がりが綺麗になります。次に使うときに色番号がわかるようラベルはそのまま付けておきましょう。
ワンポイントアドバイス
同じ色番号の色でも生産ロットにより若干色が異なることがあります。多くの色を一度に使う場合は予め多めに糸を用意しておきましょう。
糸は長すぎると絡まりやすいので針に糸を通して手に持ち糸を垂らした状態で肘+10cmくらいの長さが良いでしょう。
【1】針穴の側面を使って糸を折り返し、糸をつぶすように押さえて針を抜くと糸が平らになります。
【2】平らになった糸をそのまま針穴に通します。
ワンポイントアドバイス
刺しゅう針の号数により針穴が異なります。糸の本数が多い場合は大きい針を少ない場合は小さな針を使うのが一般的です。
クロスステッチ基本の刺し方 / Basic cross stitch techniques
【1】図案のマス目1つが生地の布目のマス目1つに相当します。図案を見ながら必要数、数字の順に針を出し入れします。
【2】端までいったら折り返しながら進みクロスステッチを完成させていきます。
ワンポイントアドバイス
上に重なる糸の向きを揃えて刺すことが原則です。刺している途中に糸がねじれてくるのでその都度ねじれを取ってください。
【3】2段目も同じ色の場合は切らずにそのまま進みます。
離れたところのマス目を刺す際は1つずつクロスを完成し次へ進みます。糸の重なりに気を付けて効率よく進めるルートを見つけていくのもクロスステッチの楽しみの1つです。
この4つの刺し方をマスターするだけでクロスステッチが10倍楽しくなります!
・左から右へ進み端まで行ったら戻りながらクロス。
・右から左へ進み端まで行ったら戻りながらクロス。
・1つずつクロスを作りながら下へ下がる。
・1つずつクロスを作りながら上へ上がる。
刺しはじめと刺し終わり / Start and Finish
【刺しはじめA】刺しはじめは糸を2~3cmほど裏に残し刺しながら巻くるんでいきます。
ワンポイントアドバイス
刺しゅうは玉結びをしないとどの本にも書かれています。その理由は額装する際、布をピンと張ったときに玉が表に影響してしまうのと玉結びの玉が小さいと布目の穴から出てしまうからです。
【刺しはじめB】刺す糸が偶数本の場合は糸を半分に折り糸の端を輪にしてそこに針を入れることにより糸の始末が出来ます。
刺し終わりも玉止めせずに裏に出来た山の下へ針を通し始末します。こまめに糸の始末をすることで糸の絡まりを防ぐことが出来ます。
抜きキャンバスを使ってみよう!/ Using waste canvas
抜きキャンバスは布目の読めない生地にもクロスステッチが出来る便利な道具です。慣れてきたら普段使いのハンカチやTシャツにワンポイントクロスステッチを入れてみましょう。
【1】図案よりひと回り大きく抜きキャンバスをカットし布の上に重ねてしつけます。抜きキャンバスの目を参考に刺しゅうをします。※使用する針はクロスステッチ針ではなく先の尖ったフランス刺しゅう針になります。
【2】しつけ糸を取り霧吹きで抜きキャンバスを湿らせ糊を柔らかくし毛抜きで抜きキャンバスの糸を一本ずつ抜きます。
【3】完成!
ワンポイントアドバイス
厚手の生地に刺しゅうすることは難しいです。抜きキャンバスの布目だけでなく、なるべく出し入れする穴を同じにすることを意識すると綺麗に仕上がります。抜きキャンバスの糸を抜く際は一度に引っ張るのではなく1本ずつ抜くと良いでしょう。
抜きキャンバスもサイズが色々あるので目的に合ったものを選んでください。